【※アンパンマン※】「泣いているの?」「顔が濡れてしまっては力が出ないでしょう。正義の味方なのに、子供みたいよ」

「泣いているの?」
「顔が濡れてしまっては力が出ないでしょう。
正義の味方なのに、子供みたいよ」

恐ろしい事態となった町

優しき心を持ち
全ての者に対して慈悲深く
自らを傷つけてまでも施しを与え
空を自由に駆ける
両の拳は分厚い鉄板すらも貫き
その体は何物も寄せつけない

ただ
ただ一つ、彼には欠点がある
そして、そのたった一つの欠点が故に

彼は

涙を流せない

「パトロールに行ってきます」

「いってらっしゃーい」

皆の声がアンパンマンを送り出す。パン工場の煙突から、アンパンマンは勢い良く飛び出していった。
その勢いのまま森の方へと向かう。

目の前には青く広がる空。眼下には一面緑の絨毯。心地良い風を感じながら、赤いマントがなびいている。
何も変わったことは無い。穏やかな一日の始まり。

アンパンマンが、森を抜ける小道にさしかかると、楽しそうな子供たちの声が聞こえてきた。
小学校の子供たちが、列を成して歩いている。先導しているのはみみ先生だ。

「あ、アンパンマンだ!」「おーいアンパンマン!」「パトロール頑張ってね!」

空を指差して、子供たちがアンパンマンへと声をかけた。それに答えるように、アンパンマンは手を大きく振る。
アンパンマンはそのまま気持ち良さそうに飛び続けた。

森を抜けると今度は広大な野原が広がっていた。
色とりどりの花々が、鮮やかに世界を彩る。

「今日もいい天気だなぁ」

アンパンマンの声は弾んでいた。今日は困っている人の声も聞こえない。
バイキンマンが悪さをする様子も無い。平和な、幸せな一日。

そういえば、さっきの子供たちはピクニックをしているみたいだった。
もし、このまま何も起こらなければ、お昼ごろお邪魔するのいいかもしれない。

楽しい光景を想像していたら、アンパンマンの顔にも自然と笑みが浮かんでいた。

その時だった。

遠く、子供たちがいた森の方で、一瞬眩い光が見えた。

爆音。

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コメント

名無しくん 2018.11.09 17:32

わ、何だろ、目から汗が…

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名無し 2019.01.14 20:38

普通にいい話だった……悲しく、楽しく、人生をみつめなおせたひとときをありがとう。

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名無し 2019.05.13 17:13

アンパンマンは泣いてはいけない

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